2025年10月31日、海外の仮想通貨取引所「Bybit(バイビット)」が、日本居住者の新規口座開設を停止しました。長年Bybitを使ってきたトレーダーにとっては衝撃的なニュースですが、見方を変えれば、より安全で賢い資産運用へとシフトするチャンスでもあります。
この記事では、Bybitに代わる海外取引所を徹底比較し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
Bybitが新規登録を停止した背景
今回のBybitの決断は、突然のことではありません。日本の金融庁が海外取引所への規制を年々強化してきた流れの中で、起こるべくして起こった出来事といえます。
金融庁による段階的な規制強化
金融庁は、日本で「暗号資産交換業者」として登録せずにサービスを提供する海外取引所への監視を強めてきました。
当初は、BybitやMEXC、Bitgetなどに対して警告書を出す程度でした。いわばサッカーの「イエローカード」のようなもので、「この取引所を使っても日本の法律では保護されませんよ」という注意喚起です。
しかし、警告後も日本語サービスを続ける取引所が多かったため、金融庁はより強硬な手段に出ます。2025年2月、AppleとGoogleに対して、無登録業者のアプリを日本のアプリストアから削除するよう要請したのです。これにより、多くのユーザーがスマホアプリでの取引ができなくなり、ブラウザ経由での利用を余儀なくされました。
「トラベルルール」による送金制限
海外取引所の利用をさらに難しくしているのが、2023年6月から日本で義務化された「トラベルルール」です。
問題は、日本の取引所と海外取引所でこの情報共有システムが異なることです。そのため、直接送金しようとするとブロックされるケースが頻発しています。現在は「国内取引所 → 自分のウォレット → 海外取引所」という迂回ルートが必要になり、利用のハードルが上がっています。
Bybitの新規登録停止は、こうした規制強化への対応と考えられます。そして重要なのは、他の海外取引所も同じ道をたどる可能性があるということ。一つの取引所に頼り切るリスクを、今こそ真剣に考えるべき時期なのです。
Bybitの代わりになる海外取引所4選
ここからは、Bybitユーザーにおすすめの代替取引所を紹介します。それぞれ特徴が異なるので、自分のトレードスタイルに合った取引所を選んでください。
MEXC|業界最安クラスの手数料が魅力
Bybitからの乗り換え先として最も違和感なく使えるのが「MEXC(エムイーエックスシー)」です。公式サイトや取引画面が自然な日本語に対応しており、英語が苦手な方でも安心して利用できます。
MEXCの最大の強みは、圧倒的に安い取引手数料です。先物取引の手数料は、Maker(指値注文)が0%、Taker(成行注文)が0.02%と、業界最安水準。指値注文を中心に取引する人なら、手数料をほぼゼロに抑えられます。スキャルピングやデイトレードで小さな利益を積み重ねるスタイルの人には、大きな武器になるでしょう。
また、「アルトコインの宝石箱」とも呼ばれ、2,000種類以上の銘柄を取り扱っています。他の大手取引所にはない新興プロジェクトにいち早く投資できるのも魅力です。最大200倍のレバレッジ取引にも対応しています。
規制環境の変化により、将来的にサービス内容が変更される可能性があります。利益が出たらこまめに自分のウォレットへ移すなど、分散管理を心がけましょう。スマホアプリは日本のストアからダウンロードできないため、ブラウザ経由での利用が基本となります。
業界屈指の銘柄数・最安級の手数料!
公式サイト:https://www.mexc.com/ja-JP
※当業者は日本で金融商品取引業の登録を受けていないため、日本居住者は利用をお控えください
Bitget|コピートレードでプロの戦略を再現
「自分で分析する時間がない」「プロのやり方を学びたい」という人には「Bitget(ビットゲット)」がおすすめです。世界中の優秀なトレーダーの取引を自動でコピーできる機能が充実しています。
Bitgetのコピートレード機能は非常に高度に作り込まれています。フォローするトレーダーを選ぶ際、投資収益率(ROI)、勝率、過去の全取引履歴、最大ドローダウン(資産の最大減少幅)など、詳細なデータがすべて公開されています。感覚ではなく、客観的なデータに基づいてトレーダーを選べるのが強みです。
投資額の上限設定や、損切りライン(ストップロス)の自動設定など、リスク管理機能も充実。短期で大きなリターンを狙うハイリスク型から、長期安定型まで、さまざまなスタイルのトレーダーが揃っています。
2023年9月からは、新規・既存ユーザー問わず全員にKYC(本人確認)が必須となりました。また、コピートレードは便利ですが、過去の実績が将来の利益を保証するわけではありません。一人のトレーダーに頼り切らず、複数人に分散することをおすすめします。
500以上の取り扱い銘柄!ステーキング・コピトレも充実
公式サイト:https://www.bitget.com/ja/
※当業者は日本で金融商品取引業の登録を受けていないため、日本居住者は利用をお控えください
BingX|日本円からの入金がスムーズ
海外取引所を使う際の最初のハードルが「日本円をどうやって入金するか」です。「BingX(ビンエックス)」は、この問題に対して便利な解決策を提供しています。
BingXの特徴は、P2P(ピアツーピア)取引に対応していること。ユーザー同士が直接、日本円と仮想通貨を取引する仕組みで、銀行振込やPayPay送金といった馴染みのある方法でステーブルコイン(USDTなど)を購入できます。手数料も安く、海外取引所への最もスムーズな資金移動ルートといえます。
VisaやMastercardによるクレジットカード決済にも対応。P2Pより手数料は高めですが、「今すぐ取引を始めたい」というときに便利です。コピートレード機能も充実しており、最大150倍のレバレッジ取引や豊富な銘柄など、総合力の高い取引所です。
P2P取引は便利ですが、個人間取引のため、相手とのやり取りが必要になります。取引相手の評価をしっかり確認してから取引することをおすすめします。
当サイトから登録で取引手数料5%オフ!
公式サイト:https://bingx.com/ja-jp/
※当業者は日本で金融商品取引業の登録を受けていないため、日本居住者は利用をお控えください
KuCoin|希少なアルトコインを探すなら
「まだ誰も注目していないコインを見つけたい」「次の100倍銘柄を発掘したい」という探究心のあるトレーダーには「KuCoin(クーコイン)」が選択肢になります。
KuCoinの価値は、圧倒的な銘柄数と新規トークンへの対応の速さにあります。他の大手取引所では見つからない時価総額の低い「草コイン」や、ニッチなプロジェクトのトークンが多数上場しています。市場の初期段階からプロジェクトに参加し、大きなリターンを狙えるチャンスがあります。ステーキングやレンディングなど、保有資産を活用した収益機会も豊富です。
日本語対応は一部に限られるため、英語での操作に抵抗がない方向けです。また、過去に日本市場向けのサービス方針を変更した経緯があるため、利用する際は資産を長期間預けっぱなしにせず、こまめにウォレットへ移すことをおすすめします。
当サイトから登録で取引手数料15%オフ!
公式サイト:https://www.kucoin.com/ja
※当業者は日本で金融商品取引業の登録を受けていないため、日本居住者は利用をお控えください
DEX(分散型取引所)という選択肢
Bybitの問題が浮き彫りにしたのは、「自分のお金が、一企業の都合や国の規制によって、いつでも動かせなくなるかもしれない」という中央集権リスクです。このリスクから資産を守る手段として注目されているのが「DEX(分散型取引所)」です。
CEXとDEXの違い
CEX(中央集権型取引所)は、MEXCやBitgetのように運営会社が存在する「銀行」のようなもの。お金を会社に預け、会社のサーバー上で取引します。便利で高機能ですが、会社の倒産やハッキングといったリスクが存在します。
DEX(分散型取引所)は、特定の運営会社に頼らず、ブロックチェーン上のプログラム(スマートコントラクト)で自動的に取引が行われる「公共の市場」のようなもの。MetaMask(メタマスク)などの自己管理ウォレットを接続して取引し、資産は常に自分の手元で管理します。
DEXの最大のメリットは「自己管理(セルフカストディ)」にあります。資産は自分だけが知る秘密鍵で守られるため、取引所の都合で引き出せなくなるリスクがありません。また、KYC(本人確認)も不要で、ウォレットさえあれば誰でも自由に使えます。
Bybitユーザーにおすすめの「edgeX」

多くのDEXは「スワップ」という単純なトークン交換しかできず、細かい価格指定には不向きでした。しかし「edgeX」は、CEXと同じ「オーダーブック(注文板)モデル」を採用。指値注文などを駆使したプロフェッショナルな取引が可能です。
CEXから乗り換えても違和感のない操作性と高い処理能力を両立しており、「DEXは遅くて使いにくい」というイメージを覆す存在です。規制リスクへの備えとして、DEXを資産運用の一部に組み込むことは、もはや必須の戦略といえるでしょう。
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海外FX業者という選択肢もある
Bybitの代わりを探していると、仮想通貨取引所以外にも魅力的なサービスに出会うことがあります。ここでは、Bybitとはタイプの異なる「海外FX業者」についても紹介します。仮想通貨の現物取引とは仕組みが違うので、自分の目的に合うかどうか確認してみてください。
Vantage Trading|FXトレーダー向けのCFD取引
Vantage Tradingは海外FXブローカーで、仮想通貨の「CFD(差金決済取引)」を提供しています。CFDは実際の仮想通貨を売買するのではなく、価格の上下を予想して差額をやり取りする取引スタイルです。
FXブローカーならではの高いレバレッジで取引できるのが魅力です。また、価格が下がると予想すれば「売り(ショート)」から入って利益を狙うこともできます。日本語サポートも充実しており、FX経験者には馴染みやすい環境です。
Bybitとの大きな違いは、仮想通貨の現物を保有できないこと。CFD取引なので、購入したビットコインを自分のウォレットに送金したり、他のサービスで使ったりすることはできません。あくまで価格変動から利益を得ることに特化したサービスです。
「仮想通貨を資産として長期保有したい」という人よりも、「短期的な値動きで利益を狙いたい」というFXトレーダー向けのサービスといえます。
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公式サイト:https://www.vantagejapan.com
※当業者は日本で金融商品取引業の登録を受けていないため、日本居住者は利用をお控えください
bitcastle|多彩な商品を提供
bitcastleは、仮想通貨取引に加えて、先物やバイナリーオプションなど多様な商品を提供するプラットフォームです。日本語対応が整っており、インターフェースも使いやすく設計されています。
一つのプラットフォームで様々なタイプの取引ができるのが特徴です。仮想通貨だけでなく、為替や商品先物にも興味がある方には選択肢の一つになるでしょう。
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公式サイト:https://bitcastle.io/ja
※当業者は日本で金融商品取引業の登録を受けていないため、日本居住者は利用をお控えください
安全に資産を移動させる方法
新しい取引所に移る際、最も注意すべきなのが資産の移動です。トラベルルールの影響で、国内取引所から海外取引所への直接送金が難しくなっているため、正しい手順を知っておきましょう。
「二段階方式」で安全に送金する
現在の日本のルールでは、国内取引所から海外取引所に直接仮想通貨を送ると、トラベルルールによって送金が止められる可能性が高いです。そこで必要になるのが、自己管理ウォレットを中継地点として使う「二段階方式」です。
bitFlyerやGMOコインなど、金融庁に登録された国内取引所に日本円を入金します。ここが安全な取引のスタート地点です。
MetaMask(メタマスク)などの自己管理ウォレットを作成します。初心者にはスマホアプリやブラウザ拡張機能として使えるMetaMaskがおすすめです。
国内取引所で送金手数料の安い仮想通貨(XRPやLTCなど)を購入し、自分のMetaMaskアドレス宛に送金します。送金先アドレスの最初と最後の数文字を必ず確認し、ネットワーク(チェーン)の選択も間違えないよう注意してください。
MetaMaskに届いた仮想通貨を、使いたい海外取引所の入金アドレスに送金します。初めての送金では、必ず少額でテストしてから本番の送金を行いましょう。
Bybit代替サービス比較表
| サービス | 種別 | 日本語 | KYC | 主なメリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|---|
| MEXC | CEX | ◎ | 段階制 | 先物手数料が最安水準 豊富な銘柄 | コストを抑えたいアクティブトレーダー |
| Bitget | CEX | ◎ | 必須 | 高機能なコピートレード | プロの戦略を学びたい人、時間がない人 |
| BingX | CEX | ◎ | 必要 | P2P取引で日本円から直接購入可能 | 入金のしやすさを重視する人 |
| KuCoin | CEX | ○ | 段階制 | 希少なアルトコインが豊富 | 新興コインを発掘したい上級者 |
| edgeX | DEX | ○ | 不要 | 自己管理で資産を守れる | 資産の自己管理を重視する人 |
| Vantage | CFD | ◎ | 必須 | トップレベルに高いレバレッジ FX感覚で取引可能 | 短期売買メインのFXトレーダー |
| bitcastle | CEX/FX | ◎ | 段階制 | 多様な商品を一つのプラットフォームで | 様々な金融商品に興味がある人 |
よくある質問
海外取引所を使うのは問題ない?
2025年現在、日本の法律で個人が海外の仮想通貨取引所を使うこと自体を禁止するルールはありません。
ただし、国内取引所と比べてトラブル時の対応が異なる場合があるため、資産を一箇所に集中させず分散管理することをおすすめします。
Bybitに預けている資産はどうなる?
今回停止されたのは「新規口座開設」のみです。すでにBybitのアカウントを持っている既存ユーザーは、これまで通り取引や出金が可能です。
ただし、今後のサービス変更に備えて、資産の一部を自己管理ウォレットや他の取引所に分散しておくことをおすすめします。
スマホアプリが使えないのはなぜ?
2025年2月、金融庁がAppleとGoogleに対して、日本で未登録の取引所アプリを削除するよう要請しました。そのため、MEXCやBitgetなど多くの海外取引所のアプリが日本のアプリストアからダウンロードできなくなっています。
これらの取引所を利用する場合は、スマホやPCのブラウザからアクセスする必要があります。
トラベルルールとは?
マネーロンダリング防止のための国際的なルールで、仮想通貨の送金時に「送金者」と「受取人」の情報を取引所間で共有することを義務付けています。日本では2023年6月から施行されました。
日本の取引所と海外取引所で情報共有システムが異なるため、直接送金がブロックされるケースがあります。これを回避するには、自己管理ウォレットを経由する二段階送金が有効です。
海外取引所への安全な送金方法は?
「国内取引所 → 自分のウォレット → 海外取引所」の二段階送金がおすすめです。
まずbitFlyerやGMOコインなどの国内取引所で仮想通貨を購入し、MetaMaskなどの自己管理ウォレットに送金。その後、ウォレットから海外取引所に入金します。
初めて送金する際は、少額でテストしてから本番の送金を行いましょう。
DEXを使うには何が必要?
DEX(分散型取引所)を使うには、MetaMaskなどの自己管理ウォレットが必要です。
ウォレットを作成したら、edgeXなどのDEXサイトにアクセスしてウォレットを接続するだけで取引を始められます。本人確認(KYC)は不要ですが、ウォレットの秘密鍵(シードフレーズ)は絶対に他人に教えず、安全に保管してください。
DEXは本人確認なしで使えるの?
はい、edgeXなどのDEXでは本人確認(KYC)なしで利用できます。資産は取引所ではなく自分のウォレットで管理するため、ウォレットを接続するだけで取引可能です。
ただし、秘密鍵の管理は完全に自己責任となります。シードフレーズを紛失すると資産にアクセスできなくなるため、紙に書いて安全な場所に保管してください。
Vantage TradingとMEXC・Bitgetなどの取引所の違いは?
大きな違いは「仮想通貨の現物を所有できるか」です。
暗号通貨取引所は現物取引ができるため、購入した仮想通貨をいつでも自分のウォレットに出金できます。一方、VantageはCFD(差金決済取引)のため、実際に仮想通貨を所有するわけではなく、ウォレットへの出金はできません。
長期保有を考えているなら暗号通貨取引所、短期の値動きで利益を狙うならVantageが向いています。
海外取引所で得た利益にも税金はかかる?
はい、海外取引所を利用した場合でも、日本に住んでいる限り税金の申告義務があります。
仮想通貨の利益は「雑所得」として扱われ、他の所得と合算して累進課税が適用されます。取引履歴は各取引所からダウンロードできるので、確定申告に備えて定期的に記録を保存しておきましょう。
どの取引所を選べばいい?
トレードスタイルによって最適な選択肢は変わります。手数料を抑えたいならMEXC、プロの戦略を参考にしたいならBitget、入金のしやすさを重視するならBingX、希少なアルトコインを探したいならKuCoin、資産の自己管理を重視するならedgeXがおすすめです。
一つに絞らず、目的に応じて複数のサービスを使い分けるのも賢い方法です。
まとめ
Bybitが日本の新規ユーザー受付を停止したことは、多くのトレーダーにとって衝撃でした。しかし、これを機に自分の資産運用を見直し、より賢い投資家へと成長するチャンスと捉えることもできます。
大切なのは、一つの取引所に頼り切らないこと。それぞれのサービスのメリットを理解し、目的に合わせて使い分ける「分散アプローチ」が、これからの時代には欠かせません。
CEXの利便性とDEXの自己管理性を組み合わせ、自分のウォレットを資産のハブとして活用する。そうすることで、環境の変化に振り回されることなく、自分自身の力で資産をコントロールし続けることができるのです。








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