USDT(テザー)は、Tether Limited社が2015年2月に発行を始めた世界初のステーブルコインです。
ステーブルコインとは、法定通貨と暗号資産が連動している通貨であり、USDTは米ドルに連動しています。
この記事では、USDTの特徴や保有することによるメリット、デメリットやリスク、購入方法などについて解説していきます。
USDT(テザー)の特徴
コインの名称 | テザー |
ティッカーシンボル | USDT |
時価総額 | 約12兆5,000億円 |
時価総額ランキング | 3位 |
管理方式 | 中央集権型 |
発行元 | Tether Limited社 https://tether.to |
発行枚数 | 約835億枚 |
発行上限 | 無し |
国内取引所での取り扱い | 無し |
購入可能な主な取引所 | bybit(海外取引所) |
USDT(テザー)は、Tether Limited社によって世界初のステーブルコインです。
米ドルの価格に連動しており、価格の変動がほとんどない特徴があります。
USDTは価格の安定性が高く、多くの取引所で基軸通貨として採用されています。そのため、他の暗号資産との取引が容易であり、ビットコインや他の仮想通貨の価格変動に左右されずに取引ができる利点があります。
また、USDTはイールドファーミングに広く利用されています。イールドファーミングは暗号資産を投資して利益を得る仕組みであり、USDTの価格の安定性や流動性の高さから、多くの投資家に選ばれています。
しかし、USDTには注意点もあります。テザー社のカウンターパーティーリスクやプライバシーの問題が指摘されており、投資や取引に際してはリスク評価と情報収集が重要です。
この記事では、USDTについて詳しく解説し、投資家や取引参加者が正確な情報を得ることができるようにします。
USDT(テザー)を保有するメリット
米ドルと連携していて価格が安定している
USDTは米ドルと連動しているため、1 USDT=1 USD付近で価格が安定していています。
他の暗号資産が大きく価格変動する中で、USDTは相対的に安定しているため、リスクを抑えた投資を行いたい人にとって有益です。
USDTはステーブルコインの中で時価総額と取引高が最も大きいため、様々なステーブルコインと比べても価格が安定しやすいというメリットもあります。
仮想通貨トレードの基軸通貨として使える
USDTは多くの取引所で基軸通貨として採用されており、他の暗号資産との取引ペアが豊富です。
これにより、USDTを保有することで様々な暗号資産への取引が容易になります。
参考までに、主要な取引所が扱うUSDTペア数は次のとおりです。(2023年10月15日時点)
USDT現物ペア | USDT無期限先物ペア | |
---|---|---|
bybit | 336銘柄 | 251銘柄 |
Bitget | 588銘柄 | 192銘柄 |
ZOOMEX | – | 223銘柄 |
MEXC | 1,802銘柄 | 298銘柄 |
BingX | 579銘柄 | 174銘柄 |
KuCoin | 687銘柄 | 206銘柄 |
Gate.io | 1,756銘柄 | 240銘柄 |
海外取引所での利用が便利
USDTは海外取引所で広く利用されており、海外取引所で他の暗号資産を購入する際によく利用されます。
残念ながら日本の取引所ではUSDTを購入できません。
しかし、次のような手順でUSDTを手に入れることで、日本では手に入らない様々なアルトコインや草コインを購入でき、投資の幅が広がり、ポートフォリオを多様化することができます。
- 国内取引所でビットコインやイーサリアムを購入
- 国内取引所で購入した仮想通貨を海外取引所へ送金
- 海外取引所でUSDTへ交換
- USDTを使って様々なアルトコイン・草コインを購入
イールドファーミングに使える
USDTの価格の安定性や流動性の高さから、USDTはイールドファーミングに広く利用されています。
イールドファーミングは、仮想通貨をDeFiサービスに預け入れて利息や手数料を受け取る仕組みであり、流動性マイニングという特徴も持っています。
イールドファーミングは高い利回りを期待できるため、2020年頃にブームとなり、現在は仮想通貨を運用する上での人気な選択肢となっています。
イールドファーミングは高い利回りが期待できますが、次のようなリスクも存在するため、情報収集や適切なリスク管理が必要です。
- 価格変動によるリスク:暗号通貨の価格変動によって、預けた資産の価値が変動して、価値が目減りする可能性がある
- 詐欺リスク:イールドファーミングプラットフォームは、信頼できるものもあるが、中には詐欺的なプラットフォームも存在する
- ハッキングリスク:イールドファーミングプラットフォームがハッカーの攻撃の対象になる可能性がある
- スマートコントラクトのリスク:イールドファーミングはスマートコントラクトを使用して実行されることが多いため、スマートコントラクトの不具合によって、預けた資産が失われる可能性がある
- 報酬減少リスク:市場の変動によって取引量や手数料が減少すると、報酬も減少する可能性がある
- プロジェクトのリスク:イールドファーミングには、特定のプロジェクトに預ける場合もあり、プロジェクトが失敗した場合、資産の価値が減少する可能性がある
USDT(テザー)のリスク・デメリット
USDTのカウンターパーティーリスク
USDTは、テザー社のカウンターパーティーリスクが指摘されています。
カウンターパーティーリスクとは、取引先が倒産した場合に、預けていた資産が目減りしたり無くなるリスクのことです。
USDTは価格安定のために、Tether Limited社による中央集権型の管理システムを採用しています。
中央集権型は迅速な意思決定ができる利点がありますが、監査が難しく、運営元が破綻した場合に資産が戻ってこない危険性があります。
Tether Limited社は以前、すべてのUSDTが米ドルで裏付けられていると公表していましたが、現在は現金や暗号資産、米財務省証券、マネーマーケットファンドなどで裏付けられていると主張しています。
USDTは、不透明性や十分な監査が行われていないとの指摘があり、他の暗号資産よりもカウンターパーティー・リスクが高いといえるでしょう。
よって、USDTを保有する際には、価格変動やニュースに注意し、動向を見守ることが重要です。
金融当局による規制
ステーブルコインに対する金融当局の規制強化も、USDTが抱えるデメリットの一つです。
2022年5月にステーブルコインのUST(TerraUSD)で価値の乖離が起こり、それによって暗号資産市場全体が暴落したことをきっかけに、世界中でステーブルコインに対する規制が強まりました。
日本では、2023年6月に改正資金決済法が施行され、一部のステーブルコインを取り扱う業者が規制されることになりました。
アメリカでも、連邦準備理事会(FRB)や証券取引委員会(SEC)をはじめとする関連機関が、ステーブルコインに対する監督を強化する方針です。
ステーブルコインに対する規制は、今後も世界中で強化されていくと予想されるため、USDTなどのステーブルコインを保有する際は、規制強化の動向に注意することが大切です。
価格変動リスク
USDTは米ドルに連動しているため、価格の安定性が高いとされています。
しかし、市場の変動や需要・供給の変化によって、USDTの価値が変動する可能性があります。
また、Tether Limited社が不祥事を起こした場合、USDTの信用が揺らぎ、米ドルとの連動が外れる可能性もゼロではありません。
USDT(テザー)の購入方法
日本国内では、USDT(テザー)を購入できる取引所は存在しません。
しかし、国内の取引所でBTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)などの仮想通貨を購入し、それを海外の取引所へ送金すれば、海外の取引所でUSDTへ交換できます。
USDTを購入するまでの具体的なステップは次のとおりです。
- 国内の仮想通貨取引所で口座開設(コインチェックがおすすめ)
- 国内取引所へ日本円を入金
- 国内取引所でBTCやETHなどを購入
- USDTを取り扱っている海外取引所で口座開設(bybitがおすすめ)
- 購入した仮想通貨を海外取引所へ送金
- 海外取引所でUSDTを購入する
海外取引所へ送金するためのBTCやETHを購入するには、日本で最も利用されているコインチェックがおすすめです。
コインチェックは登録作業がとても簡単、しかもアプリや取引画面が使いやすく、「販売所」ではなく「取引所」を使えばスプレッド・手数料無料でビットコインを購入できます。
USDTを購入する際の取引所としては、bybitがおすすめです。
bybitは世界中1,000万人以上に利用されている超大手取引所で、取り扱い銘柄は300種類以上もあり、USDTを預けるだけで利息を貰える「ステーキング」にも対応しています。
USDT(テザー)まとめ
USDT(テザー)は、ステーブルコインの中でも最も普及している通貨であり、価格の安定していて、他の仮想通貨とも交換しやすいことから、多くの投資家に使われています。
ただし、USDTにはカウンターパーティーリスクや規制の強化、価格変動リスクなどのデメリットやリスクも存在するので、これらのリスクを考慮しつつ、日々の動向に着目することが大切です。
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